これからの未来に必要なこと。それは、誰もが幸せに暮らせる「環境の創造」。
これからの日本に必要なこと。それは、
エネルギーの「自立」とエネルギーの「地産地消」、そして「省エネルギー」化。
レモンガス株式会社がこの5月に完成させた日本初のエネルギー自立型災害対応マンション「ALFY橋本」は、
まさに、総エネルギーの「自立」と環境保護の「両立」を実践した新しい「ビジネスモデル」である。
今回、「ALFY橋本」を視察し、レモンガス株式会社 新エネルギー統括本部
取締役本部長である柴田治次氏に話を聞いた。
熱エネルギーとリチウム蓄電池のベストミックスにより、必要な電気、熱エネルギーの6割以上を施設内で賄える、
スマート・ハイブリッド・マンション「ALFY橋本」(神奈川県相模原市)
最善の「コージェレーション」システムを追い求めて、25年。
柴田氏:
私たちレモンガスでは、25年前から将来は、「ライバルになるのは電気だ」という意識・発想を持っていました。
そして、アメリカに行き、「コージェネレーション」を探してきて、
LPガスエンジンでお湯と電気を作りだす「コージェネレーション」システムの開発に傾倒してきました。
幸い、エンジンも大きく、お湯も大量に使う産業用の「コージェネレーション」システムは、
福岡の介護老人保健施設や様々な工場などに設置、約3,800KWの実績を重ね
電力のピークカットや節電に努めてきました。そして、次なる目標としたのが、
「コージェネレーション」の家庭用の普及でした。
「ALFY橋本」2基のコージェネレーション 環境に配慮したバルク充填口の植栽
「ガスは電気をつくれるが、電気はガスをつくれない」
柴田氏:
当初、この「ALFY橋本」は、LPガスによる発電での「オール電化」マンションを目指していたのですが、
3.11の大震災で、「オール電化」に対するマイナスイメージを目の前にして大きく方向転換しました。
災害の時に、人々が必要なもの。それは、住んでいる建物が壊れない。建物の中にいれば「安心」。
そして、食事が作れること。さらには、照明がついて、情報源としてテレビが観れる。
携帯電話の充電用としてコンセントが使える、ということが最低限必要なのではないでしょうか。
そこで、コンロはIHヒーターではなく、ガステーブルにすることで、地震の時の非常時対応が可能となります。
LPガスは、「自立」という観点から考えると、いちばんいいエネルギーです。
地震等の災害があった時でも翌日から使用することができますから。
「ガスは電気をつくれるが、電気はガスをつくれない」ですからね。
新ビジネスモデルのキーワードは、「環境」「省エネ」「地震対策」
柴田氏:
「ALFY橋本」は、効率よくエネルギーを生産し、そのエネルギーの一切を無駄にしない
「スマートハイブリッドマンション」です。
太陽光発電とLPガスコージェネレーションで発電した電気を各住戸に供給、 余った電気は、リチウムイオン蓄電池に蓄電します。
さらに、「コージェネレーション」による発電の際に生じる排熱を熱媒体として無駄なく各住戸に配給しています。
私たちは、このシステムを「橋本プロジェクト」と称して、新たなビジネスモデルとして展開していきたい、
と考えています。「橋本プロジェクト」のキーワードは3つ。ひとつは「環境にやさしい」こと。そして、「省エネルギー」化。
最後のひとつが、「地震に強い」こと。つまり、災害やトラブルに強い、ことです。
余剰電力を蓄える「リチウムイオン蓄電池」12kw×2台
「流通革命」と「価格革命」が未来のLPガス業界の道を拓く。
柴田氏:
「橋本プロジェクト」は、快適生活を実現しながら「環境貢献」と「経済性」を実現。
使用エネルギーの低減化をはかり、入居者やマンションオーナーのメリット、
そして、ガス事業者の採算性を確立させるシステムとなっています。
LPガス事業者だけでなく、さまざまなメディアと融合した新しい事業・プロジェクトを推進していくこと。
それが、将来のガス業界の大きな発展に寄与することができる、と考えています。
ファストフード業界をはじめとした世の中の流れの中では、いま、
「流通革命」と「価格革命」が叫ばれています。LPガス事業者だけの利益を追求していくのではなく、
大きな流れの中で5年先、10年先を見据えたプロジェクトを創造していく。
それが、私たちレモンガスの夢と希望であり、挑戦であり、社会に貢献する、ということなのです。
(聞き手:エコタイムズ社 代表取締役 若生幸成)