経済産業省は5月31日、電力システム改革専門委員会を開き、電力会社の発電と送電部門の分離の進め方について検討を行なった。同委員会は、すでに家庭向けも含めた電力販売の完全自由化を決めており、電力会社の発送電分離の進め方を話し合った。
発送電分離は、発電を担う電力会社どうしの競争を促すのが目的で、現在は発電部門と経理を分ける会計分離が実現しているが、検討案では送配電部門を大手電力会社の子会社として切り離す法的分離と、中立的な独立系統運用機関(ISO)をつくって機能を移す機能分離の2案が有力候補にあがっている。資産も組織も電力会社から切り離すという所有分離の考え方は、競争が進むが大手電力会社の解体に近く今後の課題となっている。
経産省では、今夏をめどに具体的な進め方をまとめ、来年の通常国会に電気事業法改正案提出する予定。