2014/08/25 ニュース
東芝・神鋼、複合エネルギーのバイナリー発電設備の実験を開始
 東芝と神戸製鋼所は8月22日、複数の再生可能エネルギーを熱源に用いたバイナリー発電システムの実証試験を始めたと発表した。発電出力は70kWで、今年度末まで実証試験を行う。環境省の「地球温暖化対策技術開発・実証研究事業(競争的資金)」の補助事業で開発したシステムで、兵庫県と南あわじ市が建設に協力した。
 
 このシステムは、風力、太陽熱、バイオマスを組み合わせ、沸点の低い熱媒体を加熱・蒸発させて生成する蒸気でタービンを回して発電する。発電が安定し、温水供給も可能だという。システム開発の役務分担は、東芝が太陽熱集熱装置と太陽熱発電システムを制御するシステムの開発、設備建設と試験の全体取りまとめを担当する。神戸製鋼は、太陽熱集熱装置と、補助熱源に木質ペレットと淡路島産の竹チップを燃料とする木質バイオマスボイラで生成した蒸気が熱源のバイナリー発電システム開発を担当する。太陽熱集熱装置は、大型・小型の集熱器で熱を回収し、その熱はバイナリー発電と温水供給の熱源に活用する。実証試験では、小規模施設などで経済的に使える電気・熱供給源としての実現性を検証する。制御システムは、風力発電設備から短期の変動電力を分離し、分離した電力を熱に変換し、熱媒体で吸収する。これで電力系統へ接続する風力発電設備からの電力を平準・安定化せる。このため、実証試験では南あわじ市が出資する南淡風力エネルギー開発の風力発電設備(出力1.5MW)を使用する。