環境省は8月21日、北海道で計画中の「(仮称)新苫前風力発電事業」、「(仮称)道北中央風力発電事業」の計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出したと発表した。どちらの意見書も、風車から発生する騒音や低周波音、事業予定区域の希少生物への配慮などを求めている。両事業は7月7日に経産相から環境相に意見照会があり、今回それに応える形となった。
新苫前風力発電事業はユーラスエナジーホールディングスが計画しており、苫前町にある出力2万kWの風力発電設備を同出力の新品に更新する。 大臣意見では、▽希少種のオジロワシの衝突事故を回避し、営巣地や動向も含む調査と環境影響評価を行うこと、▽風車を新設する場合、大幅な地形の改編や脆弱な自然環境を回避すること、▽工事全体の地形改変は最小限にとどめること、▽住居地域への騒音や風車の影の環境影響を回避するか極小化すること、などを求めた。
道北エナジーが計画中の道北中央風力発電事業は、稚内市、豊富町、幌延町に1事業当たり最大15万kW(2000~3200kW型機を設置)の設備を約10か所に設置するもの。事業予定面積は約500平方km。大臣意見では同事業にも、▽渡り鳥や希少猛禽類などへの影響を調査・回避すること、▽動物、特に希少水生生物に土砂の流入など生息環境の改変を回避するか極小化すること、▽植物類保護のため、生息地や脆弱な自然環境、森林などの分断・地形改変などを回避するか極小化すること、▽工事で新たに生じる切土・盛土や林縁部分が最小限となるようにすること、などを求めた。