三菱重工業は8月6日、発電出力2000kW級の16気筒高速ガスエンジンを開発したと発表した。発電効率は44.7%(低位発熱量基準4)以上と世界的にも最高水準だとしている。同社は9月からプロトタイプ機で実証発電試験を開始し、分散型電源やコージェネレーション向けの電源などとして商品化を目指す。
プロトタイプ機は、同社の得意な乗用車用コンプレッサーの知見を応用し、高効率ターボチャージャーを低圧・高圧段に配置して高効率を達成する2段過給技術を開発し搭載した。また2年前に開発した1500kW級ガスエンジン「GS16R2」から排気量は据え置き、エンジン出力を上昇させてエンジンの機械損失割合を減少した。これで排気量とエンジン回転数は従来通りでも、発電機出力は500kW、発電端効率は4.4ポイントとそれぞれ向上した。今後は同社相模原地区(相模原市中央区)の自家発電施設にプロトタイプ機を設置し、来年2月まで実証試験を実施する。実証試験後は、プロトタイプ機を発電・コージェネレーションパッケージのデモ機として運用する。並行して、750~3000kWの出力範囲で6~24気筒モデルを順次開発し、シリーズ化していく。