佐賀県は、平成25年度に実施した「農業水利施設を活用した小水力発電導入可能性調査」を完了し、調査結果を公表した。この調査は、平成24年度に佐賀大学が実施した「農山漁村再生可能エネルギー導入可能性等調査事業」で選定された候補地点と周囲を調べたもの。流量データや実際の水量、水路の形状などを現地で調査し、小水力発電の設置可能性の高い地点を抽出した。
調査の結果、有望な地点は厳木川、塩田川など8地点となった。8地点の流量は0.20~0.45立法m/秒、落差は0.7~4mだった。これらに小水力発電設備を設置した場合、最大出力は0.42~4.9kW、年間発電量は6300~4万2900kWhとなり、最大出力が見込めるのは神埼市神埼町(筑後川水系城原川)の4.9kWだった。設備の建設単価は1kWhあたり490~2405円と見込まれ、発電単価は31.6~155.1円と試算された。8箇所中最も発電単価とプラントコストが高かったのは、嬉野市塩田町(塩田川水系塩田川)だった。地元の反応は、設備の導入について「身近な存在にしたい」「大いに興味がある」など好意的なものが多かった。