三菱重工業は4月1日、デンマークの風力発電設備大手Vestas Wind Systems A/S(ヴェスタス)と設立した合弁会社の名称を「MHI Vestas Offshore Wind A/S」とし、同日に発足したと発表した。新会社は両社の技術とノウハウを活用し、大型機の開発・商業化などを進める。また、既存機種のプラットフォームに同社が開発中のデジタル制御油圧ドライブトレイン搭載を検討し、製品ラインアップを拡充する見通し。
新会社は洋上風力発電設備の開発・設計・製造と販売・アフターサービスをトータルに行う。発足当初は、ヴェスタスの風力発電設備の「V112」(3000kW型機)と新開発の「V164」(8000kW型機)の受注・販売を進める。本社はデンマーク・オーフス市におき、初代会長には和仁正文・欧州三菱重工業会長が、副会長にはアンダース・ルネバード・ヴェスタス最高経営責任者がそれぞれ就任した。資本金は約1億4400万ユーロという。同社が全額出資するデンマークの現地法人MHI Holding Denmark ApS(MHD)とヴェスタスが折半出資するが、平成28年にはコールオプションで、MHDが出資比率を51%と過半数にする予定。さらに3月31日には、国際協力銀行が「海外展開支援出資ファシリティ」の一環として、同社、MHDとMHDの株式の取得に係る最大1億3200ユーロ(優先株)の株主間契約を締結した。