2012/12/06 ニュース
『エコなエネルギー供給のスペシャリストとして半世紀以上』~群馬燃料・代表取締役社長大塩孝氏

まだ地元にLPガスが浸透する以前から半世紀以上に渡り、地域需要の高まりと共に成長し続けながら、地球環境を考えたエネルギー供給を常に探求し続ける群馬燃料株式会社(群馬県太田市)、代表取締役社長である大塩孝氏に聞いた。

 

  群馬燃料株式会社 代表取締役社長 大塩孝氏

 

ー燃料業界との接点、また代表になられた経緯を聞かせて下さい。

 

 この群馬燃料株式会社は、昭和33年に先代である私の父が創設したもので、私自身は昭和48年に入社しました。薪炭や石炭などの販売から始まり、石油、ガスへとエネルギーが変化していく中で、地域に根付き、共に成長してきた会社と言えますね。群馬燃料発足当時はまだまだ地元にLPガスが広まっておらずなかなか利益が上がらなかったようです。

 私の高校時代は夏休みに家業のバイトをし、山ほどの木炭を積み上げたものです。バイト中、真っ黒になって働いている横をクラスの女の子が通ると恥ずかしくて隠れていました(笑)

 

 

ー現在の石油、ガス業界の現状や感じられている印象をお願いします。

 

 率直に言うと、近年の石油、ガスの購買は落込んでいます。これは都市ガスやオール電化の参入が大きく関わっています。また、基準や安全性を無視した悪徳業者が横行し、多くの消費者の方々が混乱した事も理由の一つです。

 ですが、東日本大震災以降、LPガスは改めて注目を集めています。震災当時、電線やパイプでエネルギーを供給する電気や都市ガスは、災害によって供給網が遮断されすぐに使用が出来ませんでした。当時は計画停電もあり、弊社の宝泉充填所オートガススタンドも止まってしまい大変でしたが、現在は自家発電を導入するなど災害対策を進めています。そうした大規模集中型のエネルギー源に対しLPガスは庭先に「源」があるため、すぐにエネルギー供給ができ、多くの場面で活躍したことで『災害に強いLPガス』として広く証明されたのだと思います。こうした認識の広がりは、今後の社会的なLPガスの存在価値を高める重要なきっかけとなると思います。

 

 

ー今後、地元のLPガス業界を牽引するお立場から、目指すエネルギーの方向性を聞かせて下さい。

 

 現在、エネルギーの在り方は大きな転換期にさしかかっています。あたりまえにあったものがあたり前ではなくなる状況の中で、今まで以上にエネルギーの継続的かつ安定的な供給が必要とされていると思います。

 LPガス事業者として、私たちの仕事は『ガスを売る』事です。つまり、『量』を売らなければ売り上げは上がらず目標は達成できない。

 しかし、この省エネの時代ではただ単に『量』を売るという姿勢だけでは成り立ちません。今後は『環境保全』と『地域の方々へ安定したエネルギー供給を行うスペシャリストとしての使命』を持ちながら、太陽光発電などを中心とした分散型エネルギー源とのベストミックスも視野に入れています。

 このようなエネルギー事業者としての可能性を模索しながら、私たちはどんな状況でも、本業を見据え、今後もエネルギー分野一本で行く。

 これからも長年の実績とプライドを持ちながら、地域とのコミュニケーションをとり、最善な方法を見つけ、エネルギー分野の地域ブランドとしてこれからもやっていきたいと思います。