鹿児島県枕崎市は27日、同市あけぼの町の市営枕崎空港を2013年3月末で廃止し、跡地に「枕崎メガソーラー発電所(仮称)」を設置する計画を発表した。オリックスと九電工が出資する新会社が事業主体となる。
11月27日、オリックス東京本社で枕崎市長の神園征氏出席のもとで、オリックスと九電工は協定書の調印式を行い、事業概要を説明した。
全国初のコミューター空港として1991年1月に開港した枕崎空港は、2003年に同空港を拠点として利用する航空会社が撤退してから、他に商用利用の方法がなく、2011年度の年間維持管理費が約1800万円を必要とするなど、市の財政を圧迫する要因だった。神園市長が「市長に初当選した時から、空港問題の解決は公約だった。一時は、刑務所の誘致に動いたが、それも適わなかったので、今回のメガソーラーへの転用は、最後のチャンスとして期待していた」というコメント。
「再生可能エネルギー買取制度」が始まった2012年7月1日以降に、枕崎空港を活用した「メガソーラー」事業の申し出が複数の事業者から提示され、市では選定委員会を設けて総合的に事業を検討し、「地域振興に熱心に考えてもらい、メガソーラー事業の運営の確実性・信頼性を評価してオリックス、九電工の提案に決定した」(神園市長)という。この決定により、枕崎市は2014年度までに9億円を超えると予測されていた歳出超過累積額を抱える事業が、「毎年賃貸料や固定資産税などで合計8500万円の収入が20年間にわたって見込まれる事業」に変わる。
今後、「メガソーラー」事業と平行して取り組まれる地域貢献策は、(1)太陽光発電所の見学・学習スペースの設置(2)小・中学生向けの環境学習の実施(3)見学者用の送迎車両の提供(4)太陽光発電所の管理業務の一部を、現在の空港管理会社が担う(5)空港敷地内に天文観測所の設置――など。また、総投資額が最大30億円程度と見積もられる「ソーラー発電所」の建設にも地元の事業者を最大限に活用する。
(転載記事) Yahoo!JAPANニュース(11月27日20時0分配信)
「オリックス、九電工と枕崎空港跡地にメガソーラー発電所を共同設置」