2012/11/19 ニュース
池に浮くフロート式「水上メガソーラー」、1年で10ヵ所20MW

太陽光発電システムを中心とした事業を幅広く展開するウエストホールディングス(本社広島市)は11月7日、フロート式「水上メガソーラー」発電所の開発と事業化に着手し、全国的に展開すると発表した。
 

ウエストホールディングスは、すでに今年10月25日に埼玉県桶川市より、同市東部工業団地内にある調整池に出力1,360KWのフロート式「水上メガソーラー」発電所を設置する事業者として指定され、来年6月の稼動を予定している。また、大阪府泉佐野市と同市が所有する公園池(水上面積約11万8000㎡)に出力2000KWのフロート式「水上メガソーラー」発電所を建設することを計画。さらに今後1年間で全国に10カ所、総出力20MW程度のフロート式「水上メガソーラー」発電所の設置を予定している。

メガソーラーの建設地に“池の上”が挙がった理由には、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まり、「メガソーラー」を建設して発電事業に新規参入する企業が急増、土地の賃貸借料が高騰していることがある。この問題を解決する一手段として、天然湖沼や貯水池、調整池と呼ばれている人造湖やため池に着目。ウエストホールディングスの調べでは、「メガソーラー」建設に適した池が日本全国で約790カ所あるという。

“池の上”に設置することで得られるメリットもある。水面上の太陽光パネルを設置するため、地上に設置するよりもパネルの温度が上がりにくく、発電量が上がるということ。さらに、太陽光発電パネルの設置により水面に太陽光が当たりにくくなることで、アオコの異常発生を抑えることもできる。また、資材、施工費など建設に必要な費用全体で見れば、水上に設置した場合でも地上に設置した場合でも金額に大きな差はなく、コストの面でも問題なく設置することができる。

ウエストホールディングスが展開するフロート式「水上メガソーラー」は、韓国のLS産電の製品・技術を導入する予定。LS産電は、水上に設置することを想定した太陽光パネルシステムを開発しており、韓国国内ですでに設置実績があるという。