2012/11/16 ニュース
関東地方最大の風力発電所エリア~茨城県神栖市「波崎ウィンドファーム」「ウィンドパワー・かすみ洋上風力発電所」

 

茨城県内最大の鹿島臨海工業地帯である鹿行地区の海岸には、

数多くの「風力発電所」がある。

今回は、その十数基もの「風車」が海岸沿い、あるいは洋上に

ものの見事に並列している、その「風力発電」施設を視察してきた。

 

   

 

東関東自動車道潮来ICからクルマで30分。鹿島灘の海岸沿いに12基の風車がほぼ一直線に並んでいる。エコパワー株式会社100%出資の波崎ウィンドファーム株式会社が2004年3月に完成させた「波崎ウィンドファーム」だ。一基の出力は1250kW、総計15,000kW。「経済産業大臣認定」を受けた事業で、「新エネルギー事業者支援対策費補助金」の助成を受けている。また、財団法人広域関東圏産業活性化センター 平成14年度「グリーン電力基金」の助成を受けている。多数の風力発電機を同じ地域に集中するメリットは、周辺インフラ整備との同時施工による建設コストダウンはもちろん、ムラのある風を点で受けるより面で受けて、発電総量を平均化し、安定的な発電量を確保できることだ。その壮観さは、見た人でないと語れないほどの圧倒的なスケールで迫ってくる。

 

そして、もうひとつが鹿島港南浜地区の護岸に立つ7基の風車だ。実は、この風車は海岸ではなく、護岸の先の海上に立っている。この風車群は、2010年6月から運転を始めた日本初の本格的洋上風力発電所、「ウィンドパワーかすみ洋上風力発電所」だ。風車1基の発電出力は約2000kW。総出力1万4000kW、全7基で約7000世帯の年間使用量電力量を賄えるそうだ。この発電所を設置したのは株式会社ウィンド・パワーいばらきという会社で、現在、この7基の脇に新たに8期設置する第2計画が進行中である。さらに、護岸から沖合500m~4000m範囲に、大きな風車を100基設置する計画がある、という。この『新エネ・メガサイト(仮)』建設が実現すれば、総出力50万~100万kWの原子力発電や火力発電と同規模のエネルギー源となる。まさに、茨城県の海上から日本のエネルギー事業が一変する風が吹き始めているようだ。

(視察 2012年11月15日 若生幸成)

 

茨城県の鹿行地区の海岸に並ぶ壮観な風車の映像は、

12月13日~15日に東京ビッグサイトで開催される「エコプロダクツ2012」で、

NPOエコネットとエコタイムズ、そして武蔵野大学環境学部との連携プロジェクト

「分散型エネルギー社会の実現をめざして~内外の新しい動きを探る」というブースにてオンエアします。