北海道は9月11日、内閣官房地域活性化統合事務局に単独提案として「エネルギー基盤創成」戦略特区構想を提案した。6月14日に閣議決定された日本再興戦略の一環である国家戦略特区のプロジェクトとして提案したもので、国内随一の新エネルギー賦存量と大規模実証フィールドの適地を持ち、ロシア極東地域に隣接する北海道の地域資源などを最大限活用するもの。
同構想では、エネルギーの安定供給を確保し、国家戦略特区を活用して新エネルギーの導入拡大やエネルギー新技術の実証フィールドの集積などを図る。また国際的な視点からエネルギー供給拠点を形成し、日本の中長期的なエネルギーの多様化、持続可能なエネルギー確保に貢献することを目指す。同構想は、①エネルギー供給拠点を形成するための新たな仕組みづくりや環境整備、②新エネルギーの導入拡大、③エネルギー新技術の実証フィールド集積、を柱としている。
まず①では、▽北本連系線を含む送電網の容量拡大や、新たな蓄電技術の導入促進、▽サハリンの天然ガスなどロシア極東地域のエネルギー資源の有効活用、日露エネルギー連携に向けた環境整備などを実施する。②では、再生可能エネルギー・新エネルギーの開発・導入の促進に向けた支援措置や税制優遇措置の拡充、規制・制度緩和の促進、▽直接混合によるE3やE10の普及など道産バイオマスエネルギーの地産地消の促進、各種規制の緩和を実施する。③では、▽大型蓄電池や超電導直流送電、雪氷冷熱などの多角エネルギー新技術を確立・実証するフィールド中心地を形成するため税制優遇措置や規制改革を促進▽道内石炭資源の活用を視野に、クリーンコール技術などの開発・海外展開の推進、などを行っていくとしている。