2013/09/02 ニュース
環境省、太陽産業の風力発電計画で環境影響の再評価を要請
 環境省は8月30日、太陽産業(愛媛県松山市)が計画中の愛媛県宇和島市、南宇和郡愛南町での「南愛媛第一風力発電事業」について、同社が提出した環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出したと発表した。これに先立ち、中村時広・愛媛県知事から同計画への追加調査が経済産業省に要請されており、今回の動きはこれに続くものとなる。
 
 南愛媛第一風力発電事業の出力規模は2万3000kW。1000kW級風力発電機を宇和島市、愛南町に計23基設置する予定だが、発電施設の規格、設置台数は同社が再検討する予定だという。環境影響評価書は6月19日から縦覧されていたが、8月30日に茂木敏充・経済産業大臣から石原伸晃・環境大臣に意見照会があり、同日付で環境大臣意見を経産省に提出したもの。環境大臣意見では、事業予定区域周辺に他の風力発電事業が多数存在するため、累積的な影響を考慮して環境影響を評価すること、騒音、振動、動植物などへの影響は、最新の知見を用いて新たに予測・評価することなどを求めた。特に風力発電事業で環境問題化している低周波音については、「風力発電設備の配置などを含めた環境保全措置を再検討し、事業者が講ずる環境保全措置による影響の低減効果を定量的に予測・評価すること」を求めた。また、事業予定区域で1日に最大1000羽以上の渡り鳥が確認されているため、渡り鳥への障害となることが懸念されるため、累積的な影響を予測・評価し具体的に評価書に記載することなどを併せて求めた。太陽産業は、今回の環境大臣・愛媛県知事の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、環境影響評価を実施しなければならない。