2013/08/09 ニュース
東工大、溶液系の電気自動車向けナトリウム電池を開発
 林克郎・東京工業大学応用セラミックス研究所セキュアマテリアル研究センター准教授らの研究グループは、新タイプの金属―空気電池「ナトリウム‐空気電池」の試作に成功し、放電容量などがリチウムイオン電池の10倍以上であることを発見した。今後は性能の向上と二次電池化、キーパーツのNa+イオン伝導性固体電解質の安定性評価と向上に取り組む。
 
 林準教授らのグループは、反応性の高い金属ナトリウムを化学的に安定なセラミックス・セパレーターで保護し、陰極側の水性電解質に放電生成物を溶解させて放電生成物の堆積による放電停止を回避。高い放電容量を実現した。イオンを導通する酸化物系セラミックスのナシコンを固体電解質セパレーターとして用いることで、陽極側に有機電解液を、陰極側に水性電解液を導入した電池を構成した。これで水溶液系リチウム-空気電池での低いイオン伝導度などの課題を解決もしくは改善した。放電容量は1グラム当たり約600mAh/g、1平方㎝当たり10mWの出力を確認しているが電池構成が複雑なため、実用化には面積当たりの出力を100mW/平方cm程度に向上する必要があるという。