三菱商事は、リチウムイオン電池正極材大手の戸田工業と折半出資するエム・ティー・カーボン(MTC)が、今年4月にリチウムイオン電池のキーパーツとなる負極用炭素材料の製造ラインを稼働したと発表した。MTCは早期に商業生産体制を確立し、2000t/年体制(世界年間需要の約5%に相当)に製造能力を引き上げたい考えという。両社はMTC製の負極材を多方面に売り込んでいく。
負極材市場は年率平均約10%で拡大しているとされ、両社は市場の拡大を見越し、昨年3月にMTC社を設立。MTCは設立後、石油コークスから人造黒鉛系製品の開発に成功し、これを受けて稼働中の製造ラインを構築している。MTCが開発した製品は、寿命特性に優れ寒冷地でも使用できる低温特性を持つという。