2018/11/30 ニュース
豊田通商、アルゼンチンでFCV用などにリチウムを増産

 豊田通商は11月28日、アルゼンチンで炭酸リチウムを増産すると発表した。同社は、オーストラリアのリチウム資源開発会社、Orocobre Ltd.(本社・ブリスベン市)と共同で生産事業を2014年末からアルゼンチンのオラロス塩湖で行っている。この枠組みで2020年7月頃から増産を始め、生産能力を1万7500t/年から4万2500t/年に拡大する。今回の増産は、燃料電池自動車(FCV)向けなど世界的にリチウムの需要が高まっているためで、この増産で長期的・安定的なリチウム供給体制を構築する。オラロス塩湖では、サレス・デ・フフイがリチウムを生産しており、サレスの拠点にかん水をくみ上げる井戸や蒸発池、製造プラントを追加するなどして、年産2万5000t分の製造能力を追加する。増産用設備の建設資金は、その一部を石油天然ガス・金属鉱物資源機構の債務保証制度を利用して調達する。一方で、リチウムイオン電池の技術が進歩しているため、同社では水酸化リチウムの需要増も見込んでいる。このため、拡張後に増産した炭酸リチウムを精製し、水酸化リチウムの生産・供給体制を日本国内で構築することも検討する。今回の増産で製造されたリチウムは、同社が販売を担当する。