駒ヶ根市は、長野県土地改良事業団体連合会が受託して行っていた小水力発電可能性調査の結果を公表した。小水力発電を行う発電事業者の参考にと実施したもので、調査によると、昨年度駒ヶ根市新エネルギー推進協議会が候補地点に選定した中田切地区で、事業可能性が高いと判断されている。
天竜川など田切地形を流れる河川や農業用水路は水量が豊富でし、小水力発電に向いた地域だと考えられている。調査は、取水地点、発電所、放水地点などで下流300m(落差20m)のルート1、365m(25.5m)のルート2に分類して検討した。その結果、水車の形式はクロスフロー水車、横軸フランシス水車が適しているとされた。総工費はルート1が1億8400万円、ルート2が1億9110万円と試算された。
また、最大出力はルート1が58.4kW、ルート2が75.2kWと想定され、年間可能発電電力量はルート1が439.1~465.9MWh、ルート2が562.1~596.8MWh(設備稼働率90%の場合) と見られている。売電収入は昨年度の35.7円の場合、ルート1が1643万円、ルート2は2116万円と試算され、ルート2の方が実現性が高いと評価された。