関西電力は9月18日、気象工学研究所(大阪市)、ニュージェック(同)と、水力発電設備でIoT技術を活用した発電運用効率化技術の研究を開始したと発表した。この研究は、水力発電設備のダムへの流入量予測精度を上げることで、水力発電所の発電電力量を向上させるもの。今年7月から研究に着手しており、関西電力が12か所の水力発電設備を設置している富山県黒部川水系で来年の3月まで実施する。今回の研究で、年間最大約3000万kWh(1%増)の発電量が増加する見込みという。黒部川水系は降雨・降雪が多く、水系全体としての総発電電力量の増量が期待できるためモデル地点に選ばれた。研究では、従来の動的計画法に基づく発電運用計画技術と、これまで未活用だった気象観測データを利用した降雨・積雪・融雪量の予測結果を考慮する。このことで、水系に流れ込む水量や時期の予測精度を向上させる。これで発電設備や発電関連設備を増設・増強せずに、運用方法を改良して発電量の最大化を目指す。研究では、気象工学研究所が▽IoT技術を活用したリアルタイムデータ取得システムの構築、▽高精度気象予測情報を活用したダム流入量予測シミュレーションの実施、ニュージェックが▽積雪・融雪モデルの導入による既存ダム流入量予測モデルの高度化、▽予測流入量を活用した発電運用最適化システムの構築、関西電力が▽フィールド(実機)を活用した試験、▽発電運用効率化効果の評価と実用性の検討--などをそれぞれ担当する。
2018/09/20 ニュース
関西電力など、黒部川水系で水力設備の発電量向上を研究
2018/09/20
2018/09/18
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