2018/08/08 ニュース
新日鉄住金ほか、風力発電用などに超電導バルクモータを開発

 新日鉄住金は8月6日、新しい超電導バルク同期モータの回転試験に成功したと発表した。東京海洋大学(東京都港区)とABBコーポレート・リサーチ(本社・米カリフォルニア州)との共同開発を進めていたもので、風力発電設備の超電導モータなどに利用できる見通し。同社が開発した超電導バルク材を組み合わせて成型集成した大型磁石を用いている。3者はこの磁石をモータの回転子に活用して、出力30kWの実証機を設計・製作した。実証機は、これまで最長360時間の負荷試験を含め計約700時間の運転を行っており、±2℃以内という良好な温度安定性と、磁場センサの誤差範囲内である1%以下の磁場安定性を確認した。この磁石は標準化が可能で、実証機レベルの出力から、大出力機まで同一規格で寸法仕様の高いユニットを製作できると見込まれる。磁石を組み込んだモータの最大トルクは537Nmで、超電導バルク材を利用したモータの値としては世界最高値という。