能代市はこのほど「能代市再生可能エネルギービジョン」を策定した。この中で、標準的な出力2000kWクラスの風車で洋上風力の設置可能台数を試算した結果、338基が設置可能と試算された。電力の期待可採量は229万4344MWh/年と推計されている。陸上風力では99基が設置可能で、期待可採量は54万3953MWh/年と見通されている。
今回の策定は、旧ビジョンの策定後、平成18年3月に合併した旧二ツ井町を含め新たな視点を加えて市の戦略的な方向性を示すため実施された。風力発電以外では、間伐材や未利用材などを使用する森林バイオマス発電での期待可採量は4万2451MWh/年と推計。中小水力発電では、河川の場合3468MWh/年、農業用水路では862MWh/年とそれぞれ推計された。雪を貯蔵して冷熱エネルギーとして活用する雪氷冷熱利用の期待可採量は、3万7778GJ/年と推計されている。
これらの未利用エネルギーを活用し、平成34年には再生可能エネルギー自給率を27%と平成24年実績の10倍に引き上げる。内訳は風力23%、太陽光2%、その他2%となっている。その実現のため、▽洋上風力発電の勉強会を開催し、能代市沖での洋上風力発電事業化可能性調査を実施、▽市内にある未利用地を有効活用し、地元企業が参画するメガソーラー事業を進める、▽市内2か所の堰水路で小水力発電の導入可能性を検討する、▽垂直設置が可能な両面太陽光発電設備を防雪柵に設置し、LED街灯の電源として活用するなど、積雪・寒冷地に対応した設備を検討する、などに取り組んでいく。