2013/06/07 ニュース
政府、地熱発電用タービン発電機で市場シェア7割確保を支援
 安部晋三首相は6月5日、内外情勢調査会主催の全国懇談会に出席し演説した。演説の中で首相は産業競争力会議がまとめている成長戦略の素案について触れ、「エネルギーも地産地消。燃料電池や蓄電池の登場で、消費者が自ら電気をつくり、賢く使う時代」と中期的な成長の柱の1つに再生可能エネルギーを位置づける考えを示した。
 
 今回の素案では、平成42年の達成すべき社会像の1テーマとして「クリーン・経済的なエネルギー需給の実現」を掲げた。その指標として、エネルギー利用価格を少しでも安くし、国際的な競争力を持たせることを提言。一方、再生可能エネルギーの導入は低水準にとどまっているとして、導入を促進する。分野別の取り組みでは、▽風力のマザー市場たる国内市場の拡大を図る、▽浮体式の洋上風力を平成30年頃までに商業化し、市場を創出する、▽太陽光発電の発電コストを平成42年以降に7円/kWhまで引き下げる、▽地熱発電設備のキーパーツであるタービン発電機で世界市場の7割を確保する、▽平成30年にメタンハイドレートの商業化にめどをつける、▽平成32年に系統用蓄電池のコストを2.3万円/kWhと半額以下に引き下げる、▽530万台の家庭用燃料電池を市場投入する、▽新築住宅・ビルの省エネ適合率100%を目指す、などに取り組む。
 
 これらの実現のため、規制緩和を含む取り組みの中短期行程表を策定した。工程表では、▽平成25年度~28年度以降にかけて、現在3~4年かかっている地熱・風力発電設備の環境アセスメント期間を半減し、手続きなどを簡素化・迅速化する、▽並行して送電網の整備・実証による風力発電の導入拡大、▽平成26年度内までにEV用充電器10万基を整備、▽平成28年度までに燃料電池自動車の市場投入と水素ステーションの先行整備(4大都市圏を中心に100か所)を図る、などとした。