宮崎大学、富士通研究所、住友電気工業は7月19日、同大の実証試験用システムで太陽光エネルギー由来の水素エネルギー製造に成功したと発表した。太田靖之・宮崎大学助教らの研究グループが研究していたもので、高効率集光型の太陽電池(出力470W)の電力で水を電気分解し、太陽光エネルギーの18.8%(1日平均)を水素エネルギーに変換できた。この18.8%という値は、実用構成のシステムでの屋外試験では世界最高効率だという。同大は東京大学と、太陽電池と水電解装置を用いた水素製造システムのシステム設計と実証を共同で進めてきた。このほど研究グループは、新型の高効率集光型太陽電池の電力を固体高分子型水電解装置に効率よく供給するDC/DCコンバータを開発。太陽電池の出力を気候変動に左右されずに水電解装置に供給でき、世界最高効率を実現した。コンバータは富士通研究所が開発したもので、水電解装置に供給する電圧、電流を制御し、常に太陽電池の最大出力電圧になるようにする。太陽電池から水電解装置へのエネルギー伝達効率は90%と高効率を実現した。集光型太陽電池は住友電気工業製で、1日の平均発電効率は27.2%となっている。研究グループは、集光型太陽電池の発電効率は今後35%まで向上すると見込んでいる。また、80%という電力から水素へのエネルギー伝達効率を考慮すると、太陽光から水素へのエネルギー変換効率は約25%に向上できると予想されている。
2018/07/23 ニュース
宮崎大ほか、太陽光エネルギーの18.8%を水素エネルギー化
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