2018/06/22 ニュース
下水処理場でのバイオガス利活用が国交省の実証事業に 神鋼環境

 神鋼環境ソリューション(神戸市)が提案した「高濃度消化・省エネ型バイオガス精製による効率的エネルギー利活用技術に関する実証事業」が、国土交通省が実施する今年度の下水道革新的技術実証事業に採択された。同事業は日本下水道事業団(東京都文京区)と富士市の3者が提案したもの。下水処理設備「静岡県富士市東部浄化センター」にメタン発酵槽、低動力のバイオガス精製装置、小規模の水素製造・供給装置を設置して行う。この実証設備で、まず消化槽に投入した汚泥を濃縮し、アンモニア性窒素の濃度調整などで消化槽の効率維持とコンパクト化を図る。汚泥から発生するメタンを精製して水素を製造し、小規模な供給設備から実際にできた水素を燃料電池車に供給する。余剰水素は消化槽に返送し、水素を利用して活動する水素資化性メタン生成菌でメタンを再生成する。こうして、下水汚泥からの効果的なエネルギー回収・利活用システムを構築し、処理性能、ライフサイクルコストの縮減効果を実証する。