2018/06/20 ニュース
東芝エネルギー、超臨界CO2サイクル火力の燃焼器を実用化へ

 東芝エネルギーシステムズは6月15日、超臨界CO2サイクル火力発電システムのパイロットプラントに用いる燃焼器の初着火に成功したと発表した。この燃焼器は、300MW級の設備適用可能な燃焼器と同じサイズの50MWth(メガワットサーマル)燃焼器。共同開発している米ネットパワーが、テキサス州に建設したパイロットプラントに、同社が設置した燃焼試験設備に付帯したものとされる。超臨界CO2サイクル火力発電システムとは、CO2を分離回収する設備を別に設置しなくとも、高純度の高圧CO2を回収できる発電システムのこと。タービンから排出されたCO2と蒸気は、熱交換器を経て高圧ポンプで圧縮される。燃焼で発生したCO2はそのまま回収でき、発電効率は既存のガスコンバインドサイクルと同等という特長がある。同社は、ネットパワーなど3社と2012年に共同開発で合意しており、高温・高圧タービンと燃焼器の開発を担当している。2016年、2017年にはパイロットプラント向けタービンと燃焼器を制作・出荷している。今後は本燃焼試験を実施し、燃焼器の性能評価とパイロットプラントの基本的な運用性確認を実施する。その後に、燃焼器をパイロットプラントのタービンに組み込み、システム全体の性能、運用性、信頼性を検証する。これらのデータから300MW級プラントの商用化を目指す。