日立製作所は5月24日、水素混焼ディーゼル発電機で熱と電気を供給する水素混焼発電システムの実証試験を始めると発表した。この実証試験は、同社と産業技術総合研究所(産総研)、デンヨー興産(東京都中央区)が共同で実施する。実証設備は、保土谷化学工業の郡山工場(福島県郡山市)内に建設され、同社の排出ガスから生成する水素を用いて燃焼試験を行う。その後、産総研福島再生可能エネルギー研究所(同)の再生可能エネルギー設備で生成したメチルシクロヘキサンを、実証設備の脱水素ユニットで水素を抽出する。その上で、福島県内で調達したバイオ燃料なども用いて、実証設備の稼働状況などを検証する。発電出力は500kW、水素混焼比率は90%(ともに目標値)で、発電した電力は保土谷化学の工場内で使用する。同社は実証試験の取りまとめ企業として、システムの設計と建設、脱水素ユニットの開発と連続運転試験を行う。デンヨー興産は、水素混焼ディーゼル発電機の開発と連続運転試験を、産総研はメチルシクロヘキサンの製造と供給、バイオ燃料の調達と分析などを行う。今回の実証試験は、「平成30年度福島県における再生可能エネルギーの導入促進のための支援事業(再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業)」に採択されており、今月から来年度にかけて実証を行う。3者は実証試験の成果を生かし、石油コンビナートや鉄鋼・化学プラントなどで発生する副生水素を活用して、電力と熱を自家消費する事業モデルの普及・拡大を推進する。
2018/05/25 ニュース
産総研・日立、福島県で水素混焼発電システムの実証試験開始
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