2013/05/31 ニュース
北陸先端大、燃料電池の高効率・低コスト化に道筋
 長尾祐樹・北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科准教授らのグループは、燃料電池のキーパーツである水素イオン透過膜の設計で、水素イオン透過性を向上させる方法を発見した。
 
 固体高分子形燃料電池に用いられる水素イオン透過膜の開発は、水素イオンの流路や量を調節して研究されてきた。反面、流路の構造自体の制御は分子間の相互作用を考慮しなければならず、課題が残っていた。長尾准教授らは、アミノ酸から部分水素イオン化されたポリアスパラギン酸を生成させ、酸化マグネシウム単結晶基板上にポリアスパラギン酸薄膜を作成。この薄膜の電気伝導特性は、粉末状のポリアスパラギン酸よりひと桁程度高く、この作成方法で高効率の水素イオン透過膜が得られた。これで流路の構造自体を制御できるようになり、水素イオンをより流しやすくできた。長尾准教授らは今回の成果を応用することで、環境特性に優れた燃料電池などへの応用展開が期待されるとしている。