2018/02/19 ニュース
日立と東北大、燃えにくい100Whリチウムイオン電池を試作

 日立製作所と東北大学は2月16日、燃えにくい新規電解質を用いた安全度の高いリチウムイオン二次電池を試作したと発表した。本間格・同大多元物質科学研究所教授らの研究グループが試作したもので、これを材料に容量100Whのラミネート型電池も試作した。試作に当たり、本間教授らは新規電解質内のリチウムイオンの挙動をシミュレーションで解析し、従来比で約4倍の高リチウムイオン伝導性と、有機電解液より100℃以上高い引火点を両立した。その結果から新規電解質を開発し、ラミネート型電池の材料に用いた。試作した電池は、釘刺し試験で安全性を検証すると、内部短絡による発熱が抑制され発火しなかった。両者は今回の結果を、従来の電池システムに設けられた補強材や冷却機構を削減できるため、システムの小型化や価格競争力の向上につながると期待している。