2017/12/27 ニュース
バイオマスエネルギー市場、2030年度には9864億円規模に 矢野経済研究所
 矢野経済研究所は12月26日、バイオマスエネルギー市場(エネルギー供給量)の市場規模予測を発表した。それによると、同市場規模は前年度の2930億円から、2030年度には9864億円に拡大と予測されている。また、発電設備などの設備導入量は、2030年度に1159億円となる見通しという。この予測は、同社の調査報告書「バイオマスエネルギー市場の現状と将来展望 2017」(A4判・187頁、定価15万円(税別))からの抜粋。
 
 同社は、未利用材や間伐材などの燃料供給市場も今後拡大すると見ており、今年度のエネルギー供給量は3864億円(前年度比31.9%増)、2020年度に6576億円、2030年度には9864億円となる見通し。その中でも多くを占めるのがバイオマス発電市場で、発電市場の規模は2016年度の1989億円から今年度は2803億円(40.9%増)、2020年度に5360億円、2030年度には8486億円にそれぞれ拡大する。これに伴い、バイオマスエネルギー設備市場(設備導入量)も拡大すると見られる。金額ベースでは、前年度の2253億円から今年度は2492億円(10.6%増)、2018年度には3308億円(32.7%増)に増加する模様。その後は、長期的にFIT制度下での発電設備導入が飽和状態となり、本来の市場規模に落ち着くと見られる。このことから市場規模は次第に縮小し、2020年度には2343億円、2030年度には1159億円と下降線をたどるという。一方、バイオマス発電の増加でコージェネレーション形態での導入も進む。バイオマス由来の熱(蒸気)供給市場も前年度の298億円から、2030年度には484億円に増加。バイオエタノール、バイオディーゼルなどのバイオ燃料供給市場も、新燃料の開発効果などで前年度の643億円から、2030年度には894億円に増加すると予測されている。