2017/12/08 ニュース
東北電力、社員が送電線鉄塔の基礎工事で数値改ざん

 東北電力は12月6日、今年10月に運用を開始した北上東線(15万4000V、岩手県花巻市~北上市)の新設工事で、同社の社員が不適切な対応をしたとして経済産業省に報告した。同社の社員は7月~8月の期間に、工事施工会社から提出された送電鉄塔(5基)の基礎据付寸法を、判定値に収まるよう書き換えを示唆した。実際には、判定値は社内マニュアルに定める値を超過していた。10月には1基の鉄塔で、社内総合検査時に基礎据付寸法を判定値に収まるとして社内に報告した。同社は、この報告から書き換えなどの事実を把握し、このほど経産省に報告したもの。不正が確認された鉄塔は6基に上るが、一部の補助部材が少し変形していたものの、鉄塔字体の健全性には問題ないと同社は確認している。これは基礎据付寸法も同様で、強度解析の結果鉄塔強度に問題はないと結論付けた。北上東線の送電鉄塔は75基に上るが、この6基以外に異常や不適切な対応はなかったという。同社は今回の件で、社内にコンプライアンス担当の副社長を委員長とした「調査検討委員会」を設置。全社的に不適切な対応に至った要因を分析していくとしている。