2017/12/04 ニュース
風力メーカーのWINPRO、約10億円の負債で事業破たん

 東京商工リサーチは12月1日、風力発電機メーカーのWINPRO(新潟市)が11月30日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請したと報じた。負債総額は9億9220万円で、12月5日、TKP新橋汐留ビジネスセンター(東京都港区)で債権者説明会が開催されるという。同社は当初、広島市に設立されたが休眠状態が続いていた。風力発電機事業に乗りだしたのは平成18年11月からで、同社の発電機はブレード(プロペラ)型ではなくバーティカル(垂直軸)型の小型発電機だった。低周波音が発生せず、風を捉えやすいなどの点から、環境エネルギーに関心の高い企業や自治体から注目を集めていた。この状況などを追い風に、平成25年3月期には主に自治体向けなどで売上高3億1845万円を計上した。しかし、その後継機種となる新型発電機の開発が大幅に遅延し、27年3月期以降は億単位の赤字が続き債務超過に陥っていた。同社は、ファンドや提携先などからの出資や資金援助で運営してきたが、今年9月頃には債権者から破産を申し立てられ、信用不安が増大していた。