2017/11/29 ニュース
東大・京大、消火機能を持つ電池用電解液を共同開発
 東京大学と京都大学は11月28日、消火機能を持つ有機電解液を開発したと発表した。この電解液は、リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池の長期充放電サイクルを可能にする一方、消火機能も持っている点が特長。山田淳夫・東京大学大学院工学系研究科教授らの研究グループと、館山佳尚・物質・材料研究機構グループリーダーらが開発した。試作した電解液は、難燃性の有機溶媒と電解質塩だけで構成され、引火点を持たない。200℃以上への温度上昇時に発生・拡散する蒸気も消火剤となるため、電池の発火リスクを積極的に低減する。充放電性能も安定しており、二次電池の高エネルギー密度化・大型化と高度な安全性の確保の両立が可能となると期待されている。さらに、長寿命化できる可能性もあり、研究グループでは電気自動車やスマートグリッド用として新型の二次電池開発にも寄与すると見込んでいる。