2017/10/10 ニュース
1-9月の太陽光関連事業者倒産は3年連続で最多更新 東京商工リサーチ
 東京商工リサーチは10月6日、1-9月の太陽光関連事業者の倒産状況調査を公表した。調査によると、9月までの倒産件数は68件(前年同期比61.9%増)に上り、過去最多だった昨年1-12月の65件を上回った。これで倒産件数は、2015年から3年連続で最多を更新した。同社はこの状況を「このペースで推移すると年間90件に達する可能性がある」と見ている。
 
 1-9月の負債総額は215億6300万円(16.5%増)で、昨年(通年)の242億4100万円は下回っている。負債額別では、1億円以上5億円未満が最多で26件(構成比38.2%)だった。次いで5000万円以上1億円未満が18件(26.4%)、1000万円以上5000万円未満が17件(25%)と続く。昨年の1-9月は、負債1億円未満が20件(47.6%)だったが、今年は35件(51.4%)と増加し、倒産は事業規模を問わず発生している状況となっている。一方、原因別では、「販売不振」が34件(50%)と半数を占めた。昨年1-9月は21件だったがここにきて急増している。以下、「事業上の失敗」が8件(11.7%)、「運転資金の欠乏」と「既往のシワ寄せ」が各5件(7.3%)と続く。昨年1-9月は見られなかった「売掛金の回収難」も4件(5.8%)発生した。その反面、「運転資金の欠乏」は昨年1-9月の6件が5件に、「金利負担の増加」は1件がゼロになりそれぞれ減少した。これは太陽光関連事業を含め、金融機関の弾力的な与信姿勢を反映している。「既往のシワ寄せ」、「販売不振」、「売掛金回収難」の3つを合わせた不況型倒産は43件(63.2%)に達し、前年同期の24件(57.1%)より増加した。同社はこの状況を「金融機関からの資金調達の問題より、関連市場の厳しい経営環境が倒産に直結していることが見えてくる」と指摘している。