2017/10/02 ニュース
豊田通商など7者、風力で水素を製造する実証事業を北海道で実施
 豊田通商は9月29日、同社など8者が夕陽ヶ丘ウインドファーム(北海道苫前町)で11月下旬から水素エネルギーのPower to Gas実証事業を開始すると発表した。2017年度まで行う。実証では風力発電量予測システムで翌日の風況・発電量予測を行い、その情報から供給できる電力量と水素製造に用いる不安定電力を計算する。その結果をもとに、水電解装置で水素を製造する。製造された水素は、水素添加装置でトルエンと反応させ、メチルシクロヘキサンを生成。需要先にメチルシクロヘキサンを陸上輸送で配送する。需要地でメチルシクロヘキサンは脱水素装置により水素とトルエンに分離され、水素とLPGを混焼ボイラーで熱利用する。同社はこの実証で、事業性の分析や将来のビジネスプラン策定を担当する。NTTファシリティーズは風況を予測し、風力発電装置の発電量を予測するシステムを開発。川崎重工業は、電力で水素を製造する水電解装置の開発・運営を行う。また、NTTファシリティーズとともに、システム全体の効率的な運用を行う制御装置の開発・運営も実施する。フレイン・エナジーは、水素をトルエンと反応させ、メチルシクロヘキサンに変換する水素添加装置と脱水素装置を開発。水素を活用した混焼ボイラーを実運用する。テクノバは、同社と事業性の分析やビジネスプラン策定を担当する。室蘭工業大学は、フレイン・エナジーと脱水素装置の性能を向上する脱水素触媒の開発を行う。