東京商工リサーチは7月12日、今年上期(1-6月)の太陽光関連事業者の倒産状況を公表した。それによると、今上期の倒産件数は45件で、これまで最多だった前年同期の30件を15件(前年同期比50%増)上回った。負債総額は165億2500万円(6.2%減)と前年同期を下回っているが、これは昨年度の日本ロジテック協同組合のような大型倒産が見られなかったためとしている。負債額別で今上期に見られた大型倒産は、ZEN POWER(福岡県、太陽光発電モジュールの製造販売)の約52億円、PVG Solutions(神奈川県、太陽電池セルなどの製造・販売)の約22億円だった。上期だけでも、負債額全体では昨年1年間の68.1%に達しており、前年を上回る水準で推移している。
倒産の原因は、「販売不振」が22件(構成比48.8%)と全体のほぼ半数を占めた。以下、「事業上の失敗」が6件(13.3%)、「運転資金の欠乏(8.9%)」と続く。「運転資金の欠乏」、「他社倒産の余波(不良債権発生、4.4%)」は、件数は少ないが前年同期から倍増した。負債額別の動向では、1億円以上5億円未満が最多の20件(44.4%)だった。1億円未満も21件(46.6%)と多く、負債額の小額化傾向が鮮明になっている。今後も、改正再生可能エネルギー特別措置法の全面施行で、住宅用太陽光の固定買い取り価格がさらに引き下げられるなど、太陽光発電の優遇策は縮小する見通し。同社は今後の市場動向を、「安易に参入した太陽光関連事業者を中心に今後も淘汰が進む恐れがあり、2017年は通年でも過去最多の倒産件数を記録する可能性が強まっている」と見通している。