富士市など5者は7月6日「岳南鉄道線軌道敷を活用した地域電力事業」の実現に向けた事業計画の策定に関する協定を締結したと発表した。同事業は富士市と、▽東京電力エナジーパートナー(東電EP)、▽JFEエンジニアリング(JFEE)、▽静岡ガス、▽テス・エンジニアリング(TESS)が実施する。同事業は富士市が平成27~28年度に、岳南鉄道線のインフラを活用した地域エネルギー供給事業の可能性調査を実施、今年4月に同事業の共同事業者を募集していたもの。その結果、6月2日に東電など4社の提案を採択し、事業計画の策定を決めた。今後は、30年2月下旬までに事業計画を策定し、3月末には市と4社で事業の実現性を評価する。実現可能と判断した場合、30年度内には法人を立ち上げて必要な設備などを設置し、32年度には事業を開始したい考え。
同事業では、岳南鉄道線の吉原本町駅~比奈駅周辺を中心に事業性を検討する。3E(「環境性」Environment、「経済性」Economic Efficiency、「供給安定性」Energy Security)に優れたエネルギー供給の実現、分散型電源の普及、公共交通インフラの活用を目指す。軌道敷には地域エネルギーインフラ(コミュニティグリッド)を設置し、分散型電源などが発電する地産電力を周辺地域に供給する。5者の役務分担は、富士市が需要家など事業関係者との調整に当たる。同時に共同事業者が実施する各種検討・現地調査などを支援する。東電EPは事業計画をとりまとめ、エネルギー供給とコミュニティグリッドの設備設置などを検討する。JFEEとTESSは、分散型電源の設置とエネルギー供給(熱・電力)の検討、静岡ガスは電源への都市ガス供給の検討を今後行う。