2017/05/29 ニュース
TS商事、負債額約26億円で事業破たん
 東京商工リサーチは5月26日、太陽光発電用シリコンのインゴット・スライス加工などを手掛けるTS商事(旧社名・CELCO SOLAR ENERGY、愛媛県松山市)が17日付で東京地裁から特別清算開始決定を受けたと報じた。TS商事はTY商事(旧社名・東予産業、愛媛県大洲市)の関連会社で、この2社と関連会社の計5社が決定を受けた。負債額はTS商事が約26億円、TY商事が約29億円、5社合計で約56億円という。 
 
 TS商事は松山市に設立され、平成21年7月には約28億円を投じて新工場を稼働させた。これに伴い本社を松山市に移転し、22年度から生産を本格化した。国内企業だけでなく台湾や韓国企業からの受注も獲得し、23年3月期には売上高約13億8900万円を計上するなど業績は好調だった。しかし、その後受注が伸び悩み、為替の影響で海外受注の確保を抑制した。このことが減収を招き、25年3月期の売上高は約8900万円と大幅に減少した。その一方、工場設備の償却負担などを吸収できず赤字が続き、債務超過の状態に陥っていた。このため事業停止に追い込まれ、28年12月の株主総会で解散が決議された。これを受け現社名に変更し、本社を大阪市に移転。今年2月には本社を現所在地に移転し、今回の措置となった。両社と同時に特別清算開始決定を受けたのは、▽TJ商事、▽TG商事、▽TSS商事--の3社となっている。