サニックスが5月11日に発表した平成29年3月期連結決算によると、同期の売上高は509億5500万円(前年同期比17.7%減)、営業利益10億3600万円(前年同期は22億2900万円の営業損失)、経常利益9億700万円(19億4900万円の経常損失)、当期利益4億1600万円(46億400万円の当期損失)の減収増益となった。このうち、ソーラー・エンジニアリング事業部門は、産業用太陽光発電設備の施工件数が減少し、施工件数全体で29.6%減と大幅に減少した。設備の卸販売は64.7%減とさらに減少幅が大きく、部門全体の売上高を262億2500万円(34.2%減)に押し下げた。営業利益は、経営合理化で人件費などを削減したこと、太陽光モジュールの原価低減策などで16億6900万円(2億200万円の営業損失)と黒字化した。この数値には、自社製パワーコンディショナーの棚卸資産で収益性低下を見越した評価損7億7700万円を含む。
一方、発電事業は高圧需要家向けに販売件数が伸び、増収を確保した。発電事業を含む環境資源開発事業部門の売上高は171億3300万円(17.3%増)と伸長した。営業利益も増益となり、苫小牧発電所の点検費・修繕費などランニングコストが減少したことなどで売上総利益率が改善し、10億2900万円(264.7%増)と大幅増を記録した。今期は、ソーラー・エンジニアリング事業部門でメンテナンス体制の拡充など、新しいサービスを導入する。また、人員の一部をホーム・サニテーション事業部門に配置転換し、人件費を削減する。部材の原価低減も引き続き進めるが、事業環境は厳しく減収は避けられない見通しという。環境資源開発事業部門は、新電力事業で高圧需要家向けの拡販を見込み、売電収入の増加予測から増収を見込む。苫小牧発電所は、今年が隔年で実施するボイラー点検の時期に当たるため、コスト増を見込む。今期は全社で売上高476億8000万円(6.4%減)、営業利益12億1000万円(16.7%増)、経常利益10億9000万円(20.2%増)、当期利益8億1000万円(94.7%増)と引き続き減収増益の見通し。