三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は5月9日、国内製造拠点の再編と事業の再配置を大筋で決定した。今回の再編は事業などの合併・買収後の統合などをさらに進化させるためで、今年度末にはほぼ終了する。同社はこの事業再編で、火力発電設備や環境装置分野などで世界No.1プレイヤーの座を狙う。
まず、火力発電分野では、横浜工場のガスタービン高温部品の製造機能と、日立工場(茨城県日立市)の中・小型ガスタービン製造機能を主力工場の高砂工場(兵庫県高砂市)に移管する。同時に、設計・調達・建設とその他のサービスも、東京湾岸地域周辺のサービスは横浜工場で対応し、それ以外は高砂工場に集約する。日立工場には、高砂工場と長崎工場(長崎市)の大型蒸気タービン、高砂工場の水車製造機能を移管する。品質保証、調達、設計なども日立工場に集約する。このほか、高砂工場の原子力タービンの製造機能も、日立工場に集約する予定という。ただし、この機能移管は今後の市場状況その他を見極めてから判断する。
本社などで手掛ける中小型の産業用事業でも再編を実施する。バイオマス発電分野など再熱サイクルを採用しない設備案件の遂行機能は、完全子会社の三菱日立パワーシステムズインダストリー(横浜市中区)に移管する。比較的大出力の、蒸気を再加熱して熱効率を高める再熱サイクルを備えた設備案件は、その遂行機能を長崎工場に移管する。これで同工場に移管ずみの製造機能と併せ、各拠点に点在しているリソースを集約し、それらを有効活用できる体制を構築する。