米ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの調査によると、平成24年の全世界での風車納入実績で米ゼネラル・エレクトリック(GE)とデンマークのベスタスが共に導入容量で前年比11.8%増、それぞれ1位、2位となった。3位はシーメンスで11.0%増となったほか、7位のゴールドウィンド(6.0%増)以下10位までの4社はすべて中国メーカーがランクインした。上位10社の風車メーカーによる供給容量は計33.5GWで、昨年の世界の導入容量で約70%を占めている。
GEの上昇は、米国の税額控除終了を受けた駆け込み需要で、全プロジェクトが平成24年末までに送配電網に接続されるよう開発ラッシュが起きたためだという。昨年稼働したGEの風車は、96%以上が米国向けだった。このため今年の米国市場は急激な反動減となるが、前年は米国に強い外国メーカーも売上を伸ばした。同社の分析では、シーメンスなど欧州メーカーの上位市場も米国が単独1位となっている。ベスタスも昨年の追加容量の40%は米国向けだった。
一方、中国市場は前年比で18%。中国の4社は10社ランキングの下位に転落した。これら中国メーカーは国内偏重型で、設置した風車の99%以上が国内向けだった。同社は、中国メーカーが価格競争力を活かして輸出市場を開拓するには課題が多いとしている。今年の市場動向は、米国市場の落ち込みと中国の回復が見通されており、中国メーカーが西欧メーカーに代わってシェアを伸ばすと同社は予想する。上位10社の風車を持つ発電事業者のうち、9社が欧州、8社が中国、3社が米国にある。これら発電事業者の上位20社の合計容量は108GWで、世界全体の総容量280GW中約40%を占めている。