日立パワーソリューションズは4月5日、同社の大みか別館(茨城県日立市)で、自家消費型太陽光発電設備高効率化システムの実証試験を始めると発表した。年間電力消費量を30%削減するためのデータ収集などが目的で、2018年3月まで実施する。検証項目は、▽電力需要のモデル化、▽電力使用量データと気象データなどから1日の電力需要を予測、▽気象や日照のデータから1時間単位で1日の発電電力量を予測、▽電力の需要予測や発量予測から蓄電池の充放電を自動制御、▽省エネ効果を出すために、空調や照明などの負荷を段階的に自動制御--となっている
今回の実証試験は、ビルの屋上や駐車場などに設置した太陽光発電設備(パネル枚数350枚)と蓄電池の自家発電設備と、ビルの空調設備やエレベーターなどを、自動制御機能付きのエネルギーマネジメントシステム(EMS)で制御する。これで太陽光発電設備の電力を有効活用する、発電と電力使用を最適化した自家消費型太陽光発電設備高効率化システムを構築する。電力需要のピーク時に充放電や空調などの負荷を自動的に制御し、過去のデータと組み合わせて電力需要や発電量を予測し、需要モデルを作成しながら、蓄電池の充放電や電力負荷の自動制御を検証する。試験結果から経済性や省エネルギー効果を確認し、事業化を検討する。同社では事業化の際、新サービスを出力50kW以上の太陽光発電設備が設置可能な工場、オフィスビルなどに売り込みたい意向。