東京電力ホールディングス、東京電力フュエル&パワー、中部電力の3社は3月28日、既存の火力発電事業を2015年に設立したJERAに統合することで合意したと発表した。3社は同日付で基本合意書を締結しており、2019年上期の事業統合を目指す。今後は3社間で検討と協議を進め、2017年度上期中に統合に係る合弁契約書を締結したい意向。3社は2015年10月に燃料輸送とトレーディング事業、昨年7月に海外発電・エネルギーインフラ事業を段階的に統合してきている。3社は今回の統合で、燃料の調達から発電、電力・ガスの卸販売までをJERAに統合し、一連のバリューチェーンが完成するとしている。
この動きで。東京電力フュエル&パワーと中部電力は国内火力発電事業の再編を図る。同時に、統合済みの海外発電・エネルギーインフラ事業などとのシナジー効果を期待している。合弁契約書を締結すれば、この2社は国内火力発電設備の合理化や電源の統廃合を一体的・戦略的に行えるようになる。加えて、再生可能エネルギーを含む最適な電源ポートフォリオの構築、2社のノウハウ・事業基盤やIoT技術を積極的に活用し、国内外で火力発電事業の競争力を向上させる。特に、競争力のある発電設備の運営・管理モデルを構築するなどの動きを加速する。また、海外で蓄えたノウハウを活用し、国内の電力市場でのシェア固めも目論んでいる。