住友電気工業は3月27日、独シーメンスAGと高電圧直流送電分野で両社が連携する合意書を締結したと発表した。両社は、インド送電公社からインド南部連系送電線の建設案件を受注しており、今後同国や他地域でのプレゼンスを強化する。
両社は今回の合意で、シーメンスAGのコンバーター技術と同社の高電圧直流ケーブル技術などを統合し、顧客により最適なソリューションを提供できるようになる。高電圧直流ケーブルは、洋上風力発電所など再生可能エネルギーや国家・地域間連系線の建設が活発化している欧州で需要が急増している。シーメンスAGは大出力の洋上風力発電設備ではトッププレイヤーに数えられ、洋上風力分野でも両社の協業は進むと見られる。また、コスト低減での提案に留まらず、プロジェクトのリスク、メンテナンスを含む管理面での統合ソリューションも提供する。一方、共同受注したインド南部連系送電線は、同国南部のタミルナドゥ州プガルールとケララ州トリチュール間の交流直流変換所を含む連系送電線を建設するもの。ロジェクト総額は約600億円で、ケララ州内の32㎞区間での電力ケーブル4本、計128㎞の敷設を受注した。両社の受注範囲は設計、調達、建設などで、試運転を経て2020年に納入する。同社は日本で製造する±320kVの直流XLPE絶縁ケーブルなどケーブルシステムの設計・製造と敷設工事・竣工試験を行う。