2017/02/20 ニュース
東電HDと理研、水力発電用ダムの運用高度化で共同研究
 東京電力ホールディングス(東電HD)と理化学研究所は2月15日、水力発電用ダムの運用高度化を目指す共同研究に関する契約を締結したと発表した。共同研究では、理研の次世代型気象モデルやアンサンブルデータ同化手法、今後確立する河川モデルでの予測技術を活用する。これで東電HDが蓄積してきた雨量や河川流量などの観測データと、ダム操作記録などのデータを解析し、発電量を増加する。ダム下流域の安全性を確保しながら、年間で最大約1500万kWhの発電量増加を図り、水力発電設備の生産性を向上するスマート・オペレーションを確立するという。
 
 東電HDは現在163か所・最大出力986万kWの水力発電設備を保有している。同社は従来、ダムの放流時間や放流量は、過去の気象予報データやダム操作経験から判断していた。この運用形態を、最新のビッグデータ分析技術などを活用して雨量や河川流量の予測精度を向上し、発電量の増加につなげる。両者は既に1月から研究準備などに着手しており、2019年12月末まで共同研究を行う。実施場所は長野市周辺の生坂、平などの5か所(合計最大出力9万9800kW)とされている。