タクマは12月14日、レーザー式の排ガス連続分析を用いてごみ質を推定する自動燃焼制御システム(先行型燃焼制御)を開発したと発表した。既に特許を取得済みで、ごみ焼却発電設備や複合燃料を使うボイラープラント(バイオマス発電設備など)に適用できるという。この燃焼制御方式を導入すると、▽ボイラー蒸発量を先行予測し制御することで、蒸気量のばらつきを従来の3分の1以下に抑制できる、▽蒸気量のばらつきが少なくなり、タービン入口蒸気量の落ち込みが少なくなる、▽また、タービンバイパスへの流出蒸気量を抑制でき、発電量が約1.5%向上(5000kWの出力で約1800kWh/日)する、▽燃焼が安定し排ガス量の変動が少なくなり、機器の負荷が小さくなる--などの利点があるという。同社は、この方式で、廃棄物発電のベース電源としての価値を一層高められるとしている。
ごみ焼却発電設備は、燃料のごみ質が一定でないため、蒸発量が安定せず安定した発電が難しい難点があった。同社は、レーザー式の排ガス連続分析でごみ質をリアルタイムで近似計算し、ボイラー蒸発量の変動を約4分前に予測できるようにした。その予測値を、ごみの供給量や燃焼空気量にフィードフォワードさせる。また、計算した熱量に燃焼空気の加熱分の熱量や焼却炉内への噴射水の潜熱などを加減する。ここから排ガスが持ち出す熱量などを差し引き、ボイラー吸収熱量を計算、ボイラー蒸発量を予測する。さらに。ごみの送り量制御と燃焼空気量制御を補正した制御ブロックを組み込み、新システムを完成した。