JFEエンジニアリングは12月5日、廃棄物焼却炉向けに水を噴射して清掃するボイラークリーニングシステムを開発したと発表した。ごみ焼却発電設備などのボイラー内部に、水を噴射してボイラー放射室内のダストを除去するもので、ボイラーが運転中でも適用できる。同社は半年間実証試験を行って、この技術でボイラーの熱回収能力の回復と発電量の増加を確認したとしている。また、放射室内のダスト付着を最小限に抑え、停止時のボイラー内清掃で負荷を大幅に低減できる。
同社はこれまでに蒸気吹き付け方式、圧力波方式の2方式で、ボイラー内清掃を行っていた。しかし蒸気吹き付け方式の場合、発電用の蒸気に影響するなどの欠点があり、今回水噴射方式を新開発した。水噴射方式は、クリーニング装置先端のノズルと装置本体が垂直・水平に移動でき、大型ボイラーでも1台で清掃できる。同社のグループ企業、Baumgarte Boiler Systems GmbHのシステムを国内向けにカスタマイズしたもので、この方式はダスト中の塩素などの腐食が軽減され、ボイラーの延命化が期待できる。また、ダストの付着状況や性状次第で従来の方式も併用でき、発電効率の向上にもつながる可能性があるという。