シーメンスが現地時間の11月10日に発表した2016年度第4四半期決算によると、今年度の業績は受注高865億ユーロ、売上高796億ユーロとなり、ともに前年比5%増となった。為替変動の影響を除くと受注・売上高は6%増に上るとしている。産業関連事業の営業利益は87億ユーロ(13%増)となり、パワー&ガス、エナジーマネジメント、風力発電&再生可能エナジーが増益を牽引した。同事業の利益率は10.8%と、プロセス&ドライブ事業以外は目標範囲内だった。
一方、第4四半期の全社受注高は203億ユーロ(14%減)、売上高は220億ユーロ(3%増)と受注高が減少した。ただし、同社は大型案件を除けば緩やかな受注増基調だとしている。パワー&ガス、風力発電&再生可能エナジーの両事業で、サービス事業の割合の低下や、大型案件が減少したことが響いた。特に風力発電&再生可能エナジーでは、前年同期にドイツの洋上風力案件(受注高12億ユーロ)があった反動減が見られた模様。その反面、売上高は15億9700万ユーロと四半期ベースで史上最高を更新し、洋上・陸上の風力案件とサービス事業の増加が貢献した。洋上風力では、新規ビジネスユニットも売上増に寄与したという。このほか製造面・施工面での生産性向上、サービス事業なども増益要因となり、来期への好調な滑り出しとなった。パワー&ガス事業もエジプトで前年同期に受注した案件の進行などで売上高は45億4500万ユーロを記録、2桁成長となった。エナジーマネジメントは、高圧製品事業とデジタルグリッド事業が貢献し、受注高は増加。売上高も送電ソリューションの牽引などで35億7300万ユーロとなった。来年度は、全事業で為替の影響とポートフォリオ関連費用を除き、緩やかな成長基調で進むと見込む。