2016/09/23 ニュース
SOFCとマイクロガスタービンの複合発電システムを試作 MHPS
 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は9月21日、固体酸化物形燃料電池(SOFC)とマイクロガスタービン(MGT)を組み合わせた加圧型複合発電システムの実証試験を始めたと発表した。今回開発したのは業務・産業用の実証機で、東京ガスの千住テクノステーション(東京都荒川区)に設置された。同社は今後、実証サイトを4か所に拡大し、2017年度の市場投入を目指す。
 
 開発した実証機は出力約250kW、発電効率は55%となっている。昨春から九州大学で実証運用されている試作機「15式システム」に次ぐものという。実証機は、燃料の都市ガスを改質して取り出す水素や、一酸化炭素と空気中の酸素を反応させて、直接電力を発生させ、残った燃料をMGTに使う。MGTの圧縮機で昇圧した空気をSOFCに供給し、SOFCが発電した後、高温排気をMGTに送り、その熱と圧力を残った燃料とともに発電に利用する。今後は実証サイトを共同開発している企業の工場に拡大する。予定地は▽トヨタ自動車(システムを共同開発)、▽日本特殊陶業(セルスタックの量産化で提携)▽大成建設の施設--が挙げられている。これらの現場で、運用効率や運転性、耐久性などを検証し、コスト低減や量産のためのノウハウなどを蓄積し、2017年度の市場投入につなげる。