2016/06/17 ニュース
クレアHD、廃タイヤ油化プラントでの発電事業を検討
 クレアホールディングス(東京都港区)は6月16日の取締役会で、廃タイヤを油化し、得た再生オイルで発電する発電事業の検討開始を決めた。今年度中に事業形態、開始時期を判断する。同社は現在、NPOのバイオマスタウン(鹿児島県さつま町)と協議を始めており、6月17日に鹿児島県で発電システムの説明を行う。
 
 この案件は、廃タイヤを低温溶融炉で油化して再生オイルを生成し、その再生オイルで発電する発電事業を行うもの。プラントの処理能力は14t/日、再生オイルの生成量は5000l、溶融残渣を再処理した固形燃料約2000kg、タイヤコードからと見られる鉄線1000kgと想定されている。再生オイルは処理過程で発電燃料用に精製し、全量発電に使用する。発電設備は内燃機型発電機で、最大出力は2000kWh、プラントの稼働消費電力は最大100kWhをそれぞれ見込む。余剰電力は電気小売事業者に売電し、副産物的な固形燃料は高炉各社、アルミ精錬会社などに廃棄物焼却炉の補助燃料として販売する予定。また途上国向けの輸出も視野に入っているという。鉄線も外販できるとしている。
 
 原料となる廃タイヤの調達は、オートモービル関連事業の子会社JPマテリアルのネットワークを通じて行う。同社はこの発電事業で、実証設備として小型のパイロットプラントが必須と考えている。同社は今後、▽発電システムを同社が建設し自社で運用する ▽発電システムを他社や自治体などに提案し販売する、▽鹿児島県での発電システム建設、運用の斡旋を検討--などを事業形態として検証する。