2016/03/07 ニュース
環境省、ユーラスの風力案件に不備を指摘
 環境省は3月1日、ユーラスエナジーホールディングスが青森県で計画している「(仮称)冷水峠風力発電事業に係る環境影響評価準備書」への環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。この案件は、同社がむつ市~下北郡東通村に総出力3万1500kW(2100kW型機×15基)の風力発電設備を建設・運営するもの。大臣意見では、準備書で事業の累積的な影響が考慮されていないこと、希少な猛禽類などを保護することなどを指摘している。
 
 意見の総論では、他の風力発電設備と同案件の新設備が隣接することで発生する累積的な影響が考慮されていないと指摘した。このため、評価書の提出時期までに、事業者間で協議・調整しつつ事業の内容を検討することを求めた。検討の結果、重大な影響が予測される場合には、配置計画など事業計画を見直すことも求めた。各論では、▽事業実施区域とその周辺には、クマタカなど希少な猛禽類などが生息するため、ブレードの塗装など鳥類が視認できる措置を設備稼働前に講ずること、▽鳥類への重大な影響が認められた場合は、稼働制限も含む追加的な環境保全措置を講ずること--などを求めた。