富士経済はこのほど、リチウムイオン二次電池市場の推移などを予測した報告書「2015 電池関連市場実態総調査 下巻」を刊行した。A4判343頁の体裁で、頒布価格は書籍・PDF版ともに12万円(税抜価格)。今年4月~10月に同社が参入企業、関連企業、業界団体などをヒアリングした結果などをまとめたもので、報告書によるとリチウムイオン二次電池市場は今後も車載用電池など二次電池の需要増で、平成30年には市場規模が1兆円を超え、31年には26年比で49.9%増の1兆2143億円に伸長すると予測されている。
二次電池の材料は▽正極活物質、▽負極活物質、▽電解液、▽セパレータの4種類で市場の80%以上を占めている。このうち、コバルト酸リチウムなど正極活物質は、26年の出荷実績が14.9万tだったのに対し、31年は25.5万t(26年比71.1%増、以下同)と予測される。負極活物質も市場が伸長し、31年の出荷見込み量は14.6万t(75.9%増)と見られる。電解液も車載専用電池向けなどで伸びが見込まれており、31年には13.1万t(98.5%増)と26年実績のほぼ2倍に伸長する見通し。セパレータも同様に出荷見込み量は20.9億㎡(93.5%増)が予測されている。